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数年前まで遊び放題だったLINE掲示板
近頃は新聞やインターネットでも出会い系や大手SNSが槍玉に上がり、何かと印象の悪い事件が報道されがちですが、今から5年ほど前は良くも悪くも「無法地帯」でした。検索エンジンでちょっと検索をかければ、簡単な募集文とSNSのIDが載せられた、いわゆる「ID掲示板」は山ほどありました。
ID掲示板で扱われるIDはやはり当時からLINEが最も多数でしたが、「サブ垢」としてカカオトークも一定の支持があったことを覚えています。
中には「カカオで話して感触がよかったらLINEのIDを教える」というスタンスの人もそれなりにいたと記憶しています。
そういった掲示板といえばサクラが気になるところですが、多数の業者が目をつける前というのは「普通の人」が多数そこに存在しています。
私は男性ですが、実際にそこで何人もの女性と出会いました。
中にはお付き合いまで発展した人もいます。もちろんサクラもいましたが、あまりにも写真や文章の雰囲気が違うので一目瞭然です。
「今日はドタキャンされてひまー」とか「誰かごはんおごって」のようなものから、「あ」一文字だけなど様々な募集文で沢山の人々が集まっており、当時は社会的な事件もなく、ちょっとした社会の裏側のような雰囲気がありました。
20代の女性はさほど多くなく、10代の子が大半を占めていたように思います。今時の若い子というのはよほど暇なものだったんでしょうか。
ともあれ、掲示板に記載されたIDを打ち込むと、LINEの機能によって友だち追加ができるようになります。当時は年齢認証などもなく、誰でも簡単にどこのどんな人でも友達登録ができたのです。
もちろん当時はまだ人が多くないと言っても、ID掲示板の存在を知っている人は多数います。特に女性はIDを公開した瞬間から数十人、ひどい時は数百人からメッセージが飛んできますので、一人ひとり対応する暇はありません。
顔写真があるか、最初の一言が面白いかどうかでふるいにかけられ、そこからさらに会話が面白いか住みが近いかなど様々な障壁をクリアいくと実際に会うことが可能になります。
最初から敵のような存在が多い分、普通の恋愛よりももしかしたら狭き門なのかもしれません。
数打ちゃ当たる、でも1人ひとり丁寧に(コピペ送信はしない等)やっていけば、30人にひとりくらいは会話をしてくれます。そこから会話を始め、わたしは5人に1人くらいの頻度で実際に会っていました。
もちろん、だいたいの場合は夜に初めて会ったそのままホテル行きでした。
言い方を悪くすれば「当たり」も「外れ」もありましたが、普通に生きていては中々ないような体験でした。
多くの女性と出会い、話し、振られ、受け入れられ、あれほど目まぐるしく毎日が過ぎていった日々はあのときくらいでしょう。
ほどなくして様々な事情からLINEにも規制が入り、ID掲示板にも業者が目をつけて今ではサクラまみれです。普通の人もいないわけではありませんが、割合は相当低いでしょう。
ああいうものは、世間で大きく話題になる前が一番面白いものです。アンテナを広く高く張っておけば、またいつか似たような現象に出会えるかもしれません。